明るく、楽しく、美しく人生を過ごすための日本の文化をこれからも継承したい。

初代・奥村金次郎が、東京浅草にて室内履きとしてのスリッパの製造販売をはじめ、120余年になります。スリッパは、ウイルスを室内に持ち込まない日本の清潔文化の象徴であり、社会で元気に美しく闘う自身を時に癒し、折り目のある暮らしを与えてくれるものです。そんな日本で生まれた文化を、歴史の語り部として次代へと継承していくのがスリッパの老舗メーカー・オクムラの使命と考えています。

私の人生は、スリッパとともに歩んで参りました。単なる機能的な履物としてではなく、人生に寄り添うスリッパの開発に力を注いできました。人は、心身ともに疲れて癒されたい時、自分の問題点を治したい、改善したい時、そしてそれらを乗り越えて強くなりたい時…生きていく上で、さまざまなシーンに出会うことでしょう。そんな皆さんの想いを「癒す」「治す」「鍛える」の観点から、そっとサポートできるようなスリッパ作り。それが、私たちが大事にしている開発理念です。

私自身、生涯元気な足元をキープし、いつまでも7cmのヒールを履き続ける為に、姿勢を正してくれ、気持ちをシャンとさせてくれる室内履きを履いています。足元のあり方は、心のあり方に直結します。いつまでも、「明るく楽しく美しく」暮らすためのスリッパを生みだし、発信し続ける。それが私たちの願いです。

床材を痛めず家屋をいたわる心、ウイルスを家に持ち込まない清潔文化、足元をやさしく守るもてなしの心、心の安息をくれる折り目のある暮らし…日本人のさまざまな心が詰まったスリッパ文化の魅力を、世界に広げていきたいと考えています。

株式会社 オクムラ　会長　鎌苅悦子